くっすのWeb文章

男性における精神的な成熟、マスキュリニティなど

「男性は女性からの愛が無ければ生きていけない」は誤った信念なのか?

今回も、ビダルフの以下の書籍からの引用で記事を始めます。

男の人って、どうしてこうなの? | 草思社

「ペニスの長い暗い夜」(または「長い暗い夜」)という、男性が女性との結婚生活の中で遭遇する危機について述べている箇所です。

117ページより。

 わたしたちは悲観的すぎるかもしれない。しかし、次の点は重要なことなので、しかと心に刻んでおいてもらいたい。今、あなたに必要なのは女性ではないということだ。理由は以下のとおりだ。
 「ペニスの長い暗い夜」の不幸は、男性の側の完全に誤った信念ー女性の愛がなくては生きていけないという信念ーの結果なのだ。きわめて重要な(年に十五万組の離婚について語っているわけだから)その治癒法は、ほかの男性に情緒的なサポートをしてもらうことである。

初めは意味がわからないと感じた

上記の引用の

男性の側の完全に誤った信念ー女性の愛がなくては生きていけないという信念

の箇所について、初めは意味がわかりませんでした。

男性は女性の愛が必要だから結婚をするわけで、結婚関係がずっと続くのは、女性の愛がずっと必要であるから。
そうではないと言うのでしょうか。

私が持っている原著(Steve Biddulph, "Manhood" Vermilion, 2004)の対応する箇所(120ページ)を見ると、

This whole catastrophe of the long dark night of the penis is the result of a totally mistaken belief on the part of the man that you can't live without a woman's love.

とあるので、こちらの場合でも
「この『ペニスの長い夜』が大惨事となるのは、女性の愛が無ければ生きていけないという男性側の完全に間違った信念による結果である。」(投稿者訳)
といった訳となるでしょう。
翻訳版とほとんど同じです。

引用部分の該当の表現に違和感を持つのは、私くらいのものなのでしょうか。他の男性の方は、そういうものだ、と捉えているものなのでしょうか。


問い:「男性は女性からの愛が無ければ生きていけない」は間違った思い込みなのか?

「男性は女性からの愛が無ければ生きていけない」は間違った思い込みなのか?率直に申し上げます。よくわかりません。私はビダルフのこの書籍をとても良いと思っているので、「この人の書いていることなら、とにかく信じてみよう」とまずは考えます。しかし、この箇所は、気になっているものの、今のところ、どう捉えたら良いのかわかりません。

今の私にとって理解できると言えることは、
「男性が男性からのサポートを得ることは、一般的に思われているよりもずっと重要である」
ということです。

男性は、もっと他の男性からサポートを得た方が良い。男性は、他の男性をサポートすることが重要だ、ともっと意識した方が良い。男性が女性からのサポートを得られることもあるが、女性が男性の問題の全てをサポートできるわけではない。男性には、男性にしかわからない問題がある。女性にとってはどうしても解決できない男性の問題がある。女性からのサポートを得られるということは、全ての問題の解決を女性が助けてくれるということを意味してはいない。男性でなければ解決できない男性の問題がある。

ビダルフの上記の著書ではセックスの章とパートナーの章もあるものの、他の男性との関係の重要さについて繰り返し述べられています。今回は問いを立てるところまでとして、答えの検討は今後に持ち越すこととしたいです。



なお、前述の引用箇所の「解決策」と「解決後」として対応する箇所は以下です。

117-118ページより。

このような時期のよき友は、あなたが自分の問題を話すのを聞いてくれるだけでなく、楽しみも分かちあい、釣りやハイキングや食事に連れだしてくれたり、一緒に料理をしたり、遊んだりしてくれるだろう。彼らはまた、適当な時期がきたら、あなたが家庭に戻って、問題を解決するときであることを指摘してくれるだろう。男性の友人や年上の人は、あなたの傷口を洗い、あなたを元気づけ、抱擁し、リング上に投げ返してくれるかのようだ!

118-119ページより。

「長い暗い夜」を通り抜けた男性は、多大な報酬を得る。(略)本当の意味で女性の交際相手となり、要求も少ないので、より魅力的である。つまり、あなたが「愛を受け入れることも捨てることも」できるようになったとき、言い換えれば、愛や情愛がもはや死活の問題ではなくなるとき、そのすべてが手に入るという、人生の甘い逆説がここにはあるのだ。



お読み下さり、ありがとうございました。