くっすのWeb文章

男性における精神的な成熟、マスキュリニティなど

マスキュリニティ

ネイティブアメリカンのラコタ族のイニシエーションでの風習は母子密着を防止する仕組みと思われる

このブログで良く言及するビダルフの書籍を読んでいて、ネイティブアメリカンのラコタ族では、イニシエーションを完了した少年は一定期間は母親と話すことを禁止される、という記述を見つけました。その風習は、現代で言うところの母子密着を防止する仕組み…

バルネラビリティの説明 ― Robert Augustus Masters "TO BE A MAN"より

マスキュリニティの書籍を見ていて、またバルネラビリティ(vulnerability)についての説明があるのを見つけました。バルネラビリティについては特に詳しく知りたいと感じているので、今回も、その書籍のバルネラビリティの部分を取り上げることにしました。…

カサンドラ症候群を元に、男性の気持ちを女性が理解するのが困難である場合について考える。そして、男性の気持ちを男性が理解することについて考える

男性が男性同士でもっと感情的なつながり合いを持てると良い。本ブログで何度か触れてきた考え方です。それがなされていないことの理由として、男性は女性からケアを得た方が良い、という発想があると思われました。本記事では、カサンドラ症候群という事例…

「男性は女性からの愛が無ければ生きていけない」は誤った信念なのか?

今回も、ビダルフの以下の書籍からの引用で記事を始めます。男の人って、どうしてこうなの?作者:スティーヴ・ビダルフ草思社Amazon男の人って、どうしてこうなの? | 草思社「ペニスの長い暗い夜」(または「長い暗い夜」)という、男性が女性との結婚生活の…

怒りにどう向き合うか ― NVC(非暴力コミュニケーション)の観点から

今回は、怒りにどう向き合うかについての記事です。私が怒りに捕らわれていた頃のこと、その後に見つけた、怒りについての書籍のこと。その書籍から私が得たこと、そして、怒りと「男性における精神的な成熟」について。以下、順に書いていきます。 私は怒り…

男らしさの要素を考えてみた 2024年10月

男らしさとは何か。 今回、私なりに考えてみて、4つの男らしさの要素を考えてみました。 何らかの根拠があるわけではなく、今後、考え方が変わることもあるかもしれません。そのため、現時点の2024年10月に考えたことの記録、という位置づけといたします。 …

男性にとってintimacy(インティマシー)は女性との性的関係とは限らない

「男性にとってintimacyは女性との性的関係とは限らない」という文章を見つけました。 intimacyは、そもそも異性の性的関係を示唆する語だと聞いていたので、「そうとは限らない」という発想について興味深いと感じました。 そして、男性同士の関係の重要性…

グレイソン・ペリー『男らしさの終焉』にも男性のイニシエーションについての記述があった

最近の記事を書くために、グレイソン・ペリー『男らしさの終焉』を読んでいたら、こちらでも男性のイニシエーションに関する記述があるのを見つけました。 そちらの箇所を読みながら、「男性における精神的な成熟」というテーマについて改めて考えてみました…

「男らしさとは優しさだ」も有り得るか ― 男らしさの様々な在り方について、および、特定の男らしさはもっと求めた方が良い可能性について

私は、「男らしさから降りよう」という呼びかけがあまり好きではありません。 それは、おそらく、「そもそも男らしさとは何か」という前提条件の共有を抜きにしたままで、「とにかくやめよう」と語られることが多いから。私はそのように捉えています。せめて…

グレイソン・ペリー『男らしさの終焉』に男性にとってのvulnerability(バルネラビリティ)の可能性を感じさせる文章がある

前回の記事でvulnerability(バルネラビリティ)の意味を辞書で引いたことについて書きました。 その記事にて、グレイソン・ペリー『男らしさの終焉』での記述についても言及するつもりでした。しかし、こちらは翻訳版があり、別の記事として書いた方が良さ…

vulnerability(バルネラビリティ)を辞書で引いてみたら、「勇気」と「精神的強さ」を表す言葉だとわかった

マスキュリニティの文脈にてvulnerability(バルネラビリティ)の概念を見かけることが良くあります。 カタカナ語が用いられているということは、やはり、訳しづらい言葉なのかな。 と思っていましたが、辞書を引いてみたらとても良い表現が見つかりました。…

「少年たちは男性との一対一の接触を、一日数時間、生物学的に必要としているのかもしれない」という表現

このブログの記事を書くために、ビダルフの本を読み返しています。 最近、そのビダルフの本の中から、 「そういえば、こんなことがどこかに書かれていたと思っていたんだけど」 という箇所を見つけることができました。 「生物学的に必要としているのかもし…

「あなたが、今、成熟した大人の男性でないのは『自分のせい』ではない」を考える

今回は、まず、精神科医である益田裕介さんが書いた以下の本の引用から始めます。精神科医が教える 親を憎むのをやめる方法作者:益田 裕介KADOKAWAAmazon「精神科医が教える 親を憎むのをやめる方法」益田裕介 [生活・実用書] - KADOKAWA こちらの本の149ペ…

ドラゴンに立ち向かい父親を救う ― 父親との関係修復について

ドラゴンに立ち向かい父親を救う。このブログで何度も引用をしているビダルフの著書を元に、この文を書きました。男の人って、どうしてこうなの?作者:スティーヴ・ビダルフ草思社Amazon男の人って、どうしてこうなの? | 草思社 参照した箇所は以下です。 も…

「男性における精神的な成熟」をテーマとしたい

タイトルの通り、「男性における精神的な成熟」をテーマとして扱いたいと考えています。 「男性における精神的な成熟」をテーマとしたい理由 理由としては、まず何より、「自分自身にとって重要なことだから」という点が挙げられます。 7月16日の記事と8月25…

MANTALKSのPodcastを題材にして男性のイニシエーションについて更に考える

今回も、男性のイニシエーションについてです。MANTALKSというWebサイトのPodcastから"Initiation: What Makes You A Man?" (イニシエーション:何があなたを男性へとさせるのか?)というエピソードを題材としました。mantalks.com MANTALKSはConnor Beato…

Biddulphの「男性にとっての本当の仕事」の記述がミュージカル版「ライオンキング」のことを言っていると思えた話

前回の記事にて、Biddulph(ビダルフ)の著書から「男性にとっての本当の仕事」の箇所の引用をしました。そのうちの1つに、以下があります。 もし自分自身の仕事を信じられていなかったら、心の底に抱えてしまう矛盾によって、あなたはゆっくりと蝕まれてい…

男性にとっての本当の仕事とは―Biddulph(ビダルフ)の主張を参考に

これまでにも取り上げているBiddulph(ビダルフ)の著書の中から、「男性にとっての仕事」について取り上げている部分を参照します。 今回は、Steve Biddulphの"Manhood" (Vermilion、2004年版)を参照します*1。 こちらの"Chapter 3 Seven Steps to Manhood"…

キャリアの話の方から男性のイニシエーションを見てみる

前回の記事に引き続き、男性のイニシエーションについて。 今回は、まずこちらの榎本による本を取り上げます。book.mynavi.jp こちらは「広義のキャリアの話」の本である、とさせていたただきます。 以下、こちらの「第4章 共鳴行動」から「『大人』のふり…

少年が大人の男性になるための本当のイニシエーションとは?

最近、男性論とその周辺に関心を持っています。 その中でも、特に、イニシエーションについて深く知りたいと考えています。 少年が大人の男性になるための本当のイニシエーションとはどのようなものか? この問いへの取っ掛かりとして、本記事では以下を取り…