20日水曜日、小杉俊哉先生の「テクノロジーマネジメント論」で
「日本の大学のMOT教育」のグループ発表をした。
グループで調べた大学は、芝浦工業大学工学マネジメント研究科、東京工業大学イノベーションマネジメント研究科、早稲田大学ビジネススクール、など。
僕が担当したのはカーネギーメロン大学(CMU)情報セキュリティ研究科(神戸市にある)、慶應のシステムデザイン・マネジメント研究科、同じく慶應のメディアデザイン研究科の3つ。
僕が担当した3つの研究科は、どれもMOT、テクノロジーマネジメント、技術経営という研究領域を主張しているわけではないです。
ただ、結果的にはMOTに近いことをやっていると判断して、調べる対象にしました。
簡単に言うと、
・CMU情報セキュリティ研究科:情報セキュリティのスペシャリストの育成
・慶應システムデザイン・マネジメント研究科:MOTは様々な研究・教育領域の中の一要素
・慶應メディアデザイン研究科:主軸は(工学でもITでもなく)デザインだが、やりたいことはMOTの考え方ととすごく似ている
という結論になりました。
さて、グループメンバーがMOTの本家であるMITを調べていました。
どうやら、MITでは最近独立したMOTのプログラムがなくなってしまったそうです…
翌週に、小杉先生からその件について解説がありました。
「MOTのプログラムで試行錯誤した結果、MOTだけで独立した教育を行う必要性が感じられなくなった。そのため、『発展的解消』として、MOTはMBAプログラムに吸収された」
ということらしい。
それを考えていて思った。
「人材に多様性がある組織では、個人の専門は1つでいい」
ということなのだろうか。
技術、デザイン、経営戦略、マーケティング、ITなど、様々な専門を持った人材が共同している組織を想定してみた。こういう組織で、コラボレーションが十分になされていたら、「技術も、経営もわかる」人材とか「経営も、技術もわかる」人材には、あまりアドヴァンテージはないんじゃないだろうか。
むしろ、「1つでいいから、『これだけは誰にも負けない』という専門を持っていたほうがいい」ということになるんじゃないだろうか。
少し考えて、こういう結論に達した。
ところで、本家のMITではMOTの特別なプログラムがなくなりましたが、日本の大学ではMOTが2000年頃に#始まったばかりです。どうやら、まだMOTというアプローチが継続されそうな感じです。
となると、今後、日本のMOT教育は独自の発展を目指さなければならないのでしょうか。MOTは「技術経営」と訳されることもあるらしいです。「ものづくり立国」というキーワードとも、無関係ではないかも知れません。