キャリアとリーダーシップに興味を持っています。
キャリアもリーダーシップも、どちらも経営学の中に含まれる小分類です。
しかし、どちらも「心」とか「能力」と深い関わりがあります。
その点では、認知科学を専門として選んだ人が、キャリア・リーダーシップの問題に関心を持つ、というのは筋が通っているかも知れないですね。
日本の大学でキャリアを研究対象としている人は、あまり多くないそうです。
僕の観点からは、「日本のキャリア研究者」と言えばこの4人かなあ、と思います。
・金井壽宏 先生 (神戸大学経営学研究科教授)
・高橋俊介 先生 (慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問))
・小杉俊哉 先生 (慶應義塾大学総合政策学部講師)
・中原淳 先生 (東京大学大学総合教育研究センター・学際情報学府准教授)
どちらかと言うと、金井先生と中原先生がアカデミック寄りで、高橋先生と小杉先生が企業寄りです。
下記の本のリストのうちのほとんどは、この4人の先生方が書かれたものです。
2人目の高橋先生と、3人目の小杉先生は慶応SFCの所属です。授業をいくつか履修しました。
高橋先生と小杉先生の授業を取っみたら、キャリア論やリーダーシップ論は興味深いものでした。
そういうわけで、関連する本を借りたり、買って読んだりしていました。
修士課程になっても、特にキャリアの本は良く読んでいました。
そして、気づいてみたら、いつの間にか自宅の本棚にそういう系の本がたくさん集まっていました。
(今はキャリアに関する本の方が多いです。)
というわけで、どんな本があるのか、まとめてみようと思います。
では、始めます〜。
1.スローキャリア
たぶん、今回のリストの中では最も早く買った本の1つ。高橋先生の授業の復習のために買いました。
「好きなことと向いていることは違う」という部分が好きです。
2.自分らしいキャリアのつくり方
高橋先生の新書本です。「2番目に得意なことをする」などなど、特徴的な名前のトピック立てが印象的です。
3.キャリア論
高橋先生の専門的な本です。自律的キャリア形成や、キャリア理論について、詳しく書かれています。
4.キャリア・コンピタンシー
小杉先生の本です。キャリアコンピタンシーの考え方に加えて、後半では小杉先生自身のストーリーが書かれています。
5.その幸運は偶然ではないんです!
高橋先生と小杉先生が時々引き合いに出されていた、クランボルツ教授の「計画的偶発性理論」についての本です。訳者の1人の花田光世先生は、慶応SFCの教授の方です。
6.リフレクティブ・マネジャー 一流はつねに内省する
経営学を中心領域とする金井先生と、教育学を中心領域とする中原先生の共著です。書き方がわかりやすく、読みやすいです。
7.リーダーは自然体 無理せず、飾らず、ありのまま
金井先生と、リーバイスやナイキなどでグローバルに働いた経験のある増田弥生さんの共著です。増田さんのストーリーに合わせて、金井先生がリーダーシップ論の観点から解説をする、というスタイルで進んでいきます。
最後の、コーチング手法に則った、自分を知るための問いかけ、の部分がすごく好きです。
8.働くみんなのモティベーション論
金井先生の本です。僕が知る限り、「動機付け」や「モティベーション」についての本は、ほとんどが「他者にどうやる気を出させるか」に意識を向けています。
しかし、この本では「自分のやる気をどのように調整するのか」をテーマにしています。
「自分のやる気」について書かれた本では、この本よりも優れたものは見たことがありません。
9.働く人のためのキャリア・デザイン
金井先生の新書本です。新書本ですが、横から見るとなかなかの厚みがあり、読み応えがあります。
引用もちゃんとあるので、じっくりと読み解いていく感じの本です。
10.キャリアの常識の嘘
金井先生と高橋先生の共著です。ここでは、アカデミックの金井先生と、企業でキャリアを積んできた高橋先生、という位置づけてで、同じテーマについてそれぞれの回答を示しています。
最後の「キャリアにおいてお金は重要か」には、すごく考えさせられました。
以上ですー。
実は他にもキャリアとリーダーシップの本をいくつか(いくつも?)持っているのですが、ちゃんと読んでいる本は以上のみです。
コメントは主観的でざっくりとしたものでしかないので、興味のある方は各種のサイトを見たり、実物を手に取っていただくと良いと思います。
さてさて、いろいろな本をリストアップしたわけですが、自分がこうやって本を読んだことが、どれほど役に立つのでしょうか?
やはり、
「まともに働いた経験が無いのに、本だけ読んでいても何も意味が無いんじゃない?」
という疑問は、当然、あり得るでしょう。
そういう意見に対して、僕からは、簡単には反対意見は言えないと思います。
この意見については、「理論」と「実践」の関係を深く考えなければならない、のではないでしょうか。
(ちなみに、上記した4人の先生方については、全員が「理論」と「実践」をつなげる活動をされている、と僕は思っています。)
それから、
「大学で学んだことが、働く時に役に立つのか。役に立つとすれば、どのように役に立っているのか」
という問題とも、関わってくると思います。
それについては、また別の機会を設けたいです。
(考えていないわけではないですが、今は断片的な話になってしまいそうなので…)
では、読んでいただいてどうもありがとうございました!^0^